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竹田の里のしだれ桜、地域の人とともに25年。

海のまち・三国町とはまったく正反対の、山々に囲まれた坂井市竹田地区。今は住民が350人ほどの小さな集落ですが、ここには毎年4月、6~8万人が集まる桜スポットがあります。

竹田の里しだれ桜まつり

会場は、丸岡方面から車で20分ほどの場所にあるキャンプ・バーベキュー場「たけくらべ広場」。平成元年、竹田川の上流にダムができたことを記念してできたこの広場には、現在約120本のしだれ桜が植えられています。約10年前、立派に花を咲かせるようになったしだれ桜を地区の住民で楽しもうと、数本の桜をライトアップしたのが、このまつりの始まりだとか。

しだれ桜のつぼみはソメイヨシノよりも紅くて上品。

花びらが幾重にも重なっている様子が、なんとも華やか。

朝晩が冷え込む竹田では、ソメイヨシノは市街部より1週間ほどあとに開花。運が良ければ、しだれ桜との共演も見られます。

このまつりのすごいところは、何といっても竹田地区の住民の方々だけで運営をしているところ!資金集めや出店者の募集、テントの設置からライトアップの配線まで、すべて住民の手で行っています。飲食スペース「しだれ桜茶屋」の半分は地区の方たちが出店。土日にはそれぞれのテントに地区内の各グループが集まり、とってもにぎやかになります。

竹田の清流域で採取する、濃味のヨモギもちは、地元の料理名人集団「加工部」さんたちによって毎日作られています。ふだんは「水車メロディパーク」にある「たけだや」さんで販売。1パック350円。ちなみに地元ではヨモギもちを「草もち」と呼び、ヨモギを「もち草」と呼ぶ。

黒豆とリンゴ、酢の絶妙な配合でピンクに色付けした桜まつり限定の桜寿司は、黒豆のゆで加減が最高の歯ごたえ。地元産の山菜をふんだんに混ぜたおこわのいなりは、「たけだや」でも定番のメニューです。1パック350円。

たまに地元のおちゃめな“おんさん[おじさん]”が来て、お昼を買っていったりとか

視力検査!ダハハッ!

マスコットキャラクターの「たけだ桜ちゃん」も営業スマイルを欠かしません。

去年7月に元竹田小学校を改装オープンした体験型宿泊施設・ちくちくぼんぼんも、今年から竹田住民のテント街に参加。

お客さんもまばらな閉店間際の食堂でも、呼び込み上手な地元のおんさんは、おやじギャグ全開で全力営業。

夜、桜が満点の星空とともに見られれば、もうこの世の風景じゃないくらいの神秘です。

ライトアップの点灯・消灯も、もちろん地元の住民がシフトを組んで対応。住民にも生活があり、夜10時にはライトを消しちゃうので、あんまり深夜に来るとこの世のものじゃないくらい真っ暗闇が広がっているので注意。

夜桜の下でバーベキューやキャンプっていうのもオツですよね。

いやー、オツなおんさんたちやな~。と思ってよくよく見てみると…

地元のそば会の人たちが、まさかの「うどん」焼いてました。かけつけ一杯で熱燗を紙コップにつるつるいっぱい頂戴する。ちなみに手前のやかんに入ってるのが熱燗ね。この豪快さ。

今年は少し肌寒い日が続き、見ごろは平年並み(4月18日頃~)だったのですが、しだれ桜のほかにもソメイヨシノや八重桜の共演が見られ、たくさんのピンクにあふれた会場でした。

そしてなんと。毎年会場に来られている皆さんはお気づきでしょうか?今年からは、入り口から広場までの通路ぎわに芝桜とマツバギクが植えられているのですよ!!来年からはきっと、さらに色とりどりの春を演出してくれることでしょう!

竹田の里しだれ桜まつり 期間:毎年4月第2週~(2週間前後)
竹田の里情報発信ページ(Facebook

たけくらべ広場

〒910-0204 福井県坂井市丸岡町山竹田 福井県坂井市丸岡町山竹田94−10
tel:0776-67-3097

唐川恵美子

音楽家。
生まれは栃木、育ちは海のまち・三国。現在は山のムラ・竹田に住みながら「地域おこし協力隊」として活動中。