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北陸三大祭・三国祭で山車をひく

漁師町の歴史をもつ三国では、毎年5月に大きなお祭りがあります。

三国祭

江戸時代には、北前船が往来する港町として栄えた三国町。継体天皇にゆかりのある三国神社の春の例祭として、町の繁栄に感謝し、さらなる発展を願うため、260年以上伝えられてきたのがこのお祭りです。概要と楽しみ方については、地元が好きすぎてネットラジオ作っちゃった同級生に説明を譲るとして。

三国祭の説明は、7:30~

名物の武者人形山車(やま)、曳いてきました。

山車は神社周辺の地区が持ち回りで6基ずつ制作し、地元の青年団などで引っぱって町を練り歩くのですが、今では三国祭保存振興会のボランティアに応募すれば、地区住民でなくても山車曳きを体験することができます。

私は仕事の一環としてでしたが、地元の高校に通う留学生と大学時代の後輩を誘って参加。市外、県外からの参加も多く、県内の小中高校で英語を教えているALTの人も来てました。ちなみにこの写真、アメリカから来ている研究者の人にシャッターを頼みましたが、外国の人って基本的にアングルへのこだわり皆無だよね(笑)。

今年は土日だったこともあり、すごい人出でした。思えば3年前、三国祭が土日に重なるのは2017年か…と東京からこの日を待ちわびていた私ですが、3年後のこの日、まさか福井に住んでいるとは。

午前10時くらいに出発。少し肩慣らしした後、12時には全ての山車が神社前に集結し、神社にお参りします。神事のあと、町めぐりに出発。

「ハイ、取りー(右)!」「おもー(左)!!」という親方のかけ声に合わせて、ゆっくりと山車を操作します。たまに方向を間違えると、「おぇー!おめぇら取りがどっちかもわからんのけぇー!!」「うっせんじゃぁー、聞こえんのやって!」と、漁師町ならではの血気盛んなやりとりも楽しめます。

そうこうしながら、夕方16時~17時くらいに合わせて、山車はえちぜん鉄道三国駅前の交差点に向かいます。そこで見られるのがこちら。地区同士で山車の派手さを競います。

前にしか進めない車をぐるぐる回すので、わだちが残ります。これも祭の風情。

祭の風情といえば、山車を曳きながらも、色んな知り合いに久しぶりに会えたことも地元の祭ならではの楽しみでした。かつてはやんちゃだったあの子この子も、今では立派なママになっていたり、家業を継いで頑張っていたり。

いつからか日も落ちて、いよいよ祭も終盤に。

何よりもの立役者は、朝から夜までずーっと太鼓やかけ声を担う囃子方の子どもたちですね。この日のために訓練を重ねた、伝統芸能の精鋭たち。その子たちが大きくなると、こういう感じになります。

一緒にいた留学生には、ジャパニーズ・フリースタイルと説明させて頂きましたけれども。こんなに気軽に家の外に太鼓置いて、かわるがわる太鼓叩けるってなかなかないですよね。こんなのを楽しめるのも、祭の風情。

来年も土・日に前祭りと本祭りが重なります。ボランティアに参加して、外から見るのとはまた違う祭の景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

三国祭をもっと知るために:

  • 一般社団法人三国會所(三国湊地域の歴史発掘、まちづくり活動)
  • みくに龍翔館(北前船の歴史、かつての10m級山車の展示など)
  • 三国祭りのページ|囃子方経験者による山車とちょっと前の囃子方のはなし(個人ブログ

三国神社

〒913-0044 福井県坂井市三国町山王6丁目2-80
tel.0776-81-2514

唐川恵美子

音楽家。
生まれは栃木、育ちは海のまち・三国。現在は山のムラ・竹田に住みながら「地域おこし協力隊」として活動中。